先日、列車で到着した台東から花蓮までの距離は約170キロ。
いつもならば2日間で走りきる距離なのですが、今回は3日で
走ることにしました。と言うのは、ふたつあるルートのどちら
にもすごい難所(急な登り)があり、それをクリアするのに時
間が必要と考えたからです。アキレス腱断裂後のパワー不足も
気になっていますし…、そして、選んだコースは海岸沿いでは
なく、途中から左折して山を越え、ふたつの山脈の間を走ると
いうもの。自転車を借りた際、「とても美しい!」と店主が強
く勧めてくれ、地図に赤線でマーキングしてくれたコース。そ
の難所は国道17号線から左折してすぐに始まりました。いきな
りの急登!斜度表示はないが12度(日本ではこれが最大斜度)
を越えているのは間違いない。我慢、我慢…と言いきかせてペ
ダルを踏むが踏み切れない。で、5分押しては1分休むの繰り
返し。1キロほど進んだところに休憩所があり、そこで発見した
高低図を見た時は、ここから引き返そうかと思った。しかし…
と思い直し、頂点まで最大7,8キロ。すべて押してもよいで
はないかと決心して押した。そして、押した。格闘1時間あま
り、二つ目の休憩点にたどり着くと、そこにGIANTのツア
ーサポートカーがいたので、ドライバーに「この登りはあとど
れくらい続きますか?」と尋ねると「ここが最高点!あとはず
っと下りだよ!」との返事。覚悟を決めていた私にとってはあ
っけなく難所との闘いは終えたのでした。
※雨模様の中のスタート。
※少し走ると定食屋さんが。
※卵焼き付きビーフンをいただく。40ドル。
※17号線を左折する。いきなりの急坂!
※この高低図には戦意も失せたが…
小休止の後、再スタートすると確かに少しの登りがあり、その
先にはトンネル。前後のライトを点けて進入すると、少しの登
り。車も少なく、トンネル内の道路も広く、不安感無く通過。
すると待っていたのは待望のダウンヒル!ブレーキから手が放
せないほどの急坂をぐんぐん下り、アッと言う間に下界に到着
しました。
降り切ったところにあったのは「湯」と言う文字が大きく書か
れた安通温泉郷という施設。まさに日本ムードあふれる施設で
したが、まさか、日帰り温泉という訳には行かないし…。
※温泉もある。
下っていくと7-11があったのでここでコーヒーブレイク。窓際
に座って飲んでいると1台の自転車が止まった。目があったの
で手を振ると彼も振りかえし、しばらくするとやってきた。予
想通り、日本人で、東京から来ている高砂さん。6日間で花蓮
までと、すさまじい速度で環島している58歳。昨日のスイス人
並みのパワーだ。彼をおいて先にセブンを出たが、やがて彼は
私を追い抜いて行った。昨日もこんな景色だったな~。
※彼も私をさっと追い抜いて行った。
午後3時前、ホテル到着。まだ清掃が終わっていなく、少し待
たされたが(実は私が早くに到着しすぎた)、程なく入室。今
回の旅で最もラグジュアリーな部屋だった。だって、トリプル
ルームのシングル利用ですよ!
さて、明日は走りの最終日。約80キロを味わって走ろうと思う。
本日の走行距離58.5km
●その夜の出来事!!
ブログを書いて夕食に出た。駅前にいくつか店があり、どこに
しようか迷った末に、入り口の様子が気に入った店に入った。
が、店員も中国語で喋るばかり。どこで、メニューに客が記入
して注文するシステムと分かっているのだが、写真入りのメニ
ューもなく困っていると、入り口付近の丸テーブルで食事して
いた若いカップルが近づいてきて、助けてくれた。メニューを
選び、料金計算をした。私は台湾ドルが200しかないというと
「大丈夫、合計180ドルだから」と言う。ありがたかったし、
話もしたかったので「あなたたちのテーブルで一緒に食べてよ
いか?」と訊くと「OK」との返事。そして、お互いの片言英
語でおしゃべりと食事が始まった。やはり、この年齢でのチャ
リ環島に驚かれ、互いの仕事を語り合い、やがて彼らが言った。
「今年の9月に鈴鹿にF-1を観戦に行くかもしれない。その
時に東京に行ったら会ってくれるか?」答えはもちろん「OK」
だ。そして名刺を交換した。唐さん夫妻だった。で、早めに食
べ始めていた彼らは食事が終わり「先に出ます」と帰っていっ
たがその際、「あなたの支払いは済ませました。そのまま帰っ
て結構です」と!若い彼らにおごられてしまった。200ドルし
か持っていないと知ってのことだろうが、優しい気持ちに触れ
てますます彼らを歓迎したくなった。こんな縁を大切にしたい
と思う。
※唐さん夫妻。また会えるといいな!
※食べたのは豚肉ご飯、玉子スープ、厚揚げ(油豆腐)と野菜
サラダ。これで180ドル(640円)。